イップスの症例|高校1年生外野手

こちらは2018年のブログ記事です。

こんばんは。 広島市南区の整体 鍼灸 佐々木整骨鍼灸院です。

毎年この時期はイップスの患者さんの来院が多いのですが、今日も高一の某野球部の外野手が来院。

3ヶ月前くらいから段々と投げられなくなり今に至ったそうで、現在は毎日ネットに向かってひたすら投げる練習をしているそうです。(監督さんにイップスの事を相談し別メニューで練習出来ているのは羨ましい~)

本人に「イップスになった原因として思い当たる事はある?」と聞くと、「よくわからない。なんとなく段々と投げられなくなった。」との事。

何も切っ掛け無しにイップスにはならないので一般的なイップスになる要因を具体的に話し、その中に当てはなる要因が有るかどうか?を確認するとありました。(^^)

もともと肩があまり強くなく、外野からレーザービーム光線みたいな送球をしたいと思い、投げ方を色々工夫していた事を思いだしてくれました。

具体的に何処をどのように工夫したかを聞いて原因が掴めました。

それからイップス症状が最悪だったのはいつ頃?と聞くと 「う~ん よくわからないです。」

じゃぁ、中学の時に一番調子が良くて自信があった頃はいつ頃?で、その時の試合の事覚えてる?と聞くと 「中学の春頃かな~試合は覚えていない。」

イメージトレーニングを行う時に大事な事なのですがこれだと無理です。。。

 

まだ高一で少し幼い感じだったのであまりそういった事が意識化できていない感じ。

以前紹介したJARTAのセミナーで学んだ

JARTAで言うイップススの原因

・投球および送球技術の不足
・修正能力技術の不足
・上記二点の土台となる身体操作技術の不足
・イメージ技術の不足
・パフォーマンスを発揮するための思考技術の不足

 

上記のイメージ技術の不足ですが、それを今回指導すると本人の中では多分理解不能だと感じたので、いつも行うイメージトレーニングは今回は無しに。

 

それから実際に投球練習を観させてもらいました。先ずはタオルを使ってシャドーピッチング。

ここでまた問題が。。。

テイクバックからトップの位置に振り上げる時、固めた感じで投げている。(^_^;)

 

本当は柔らかく投げられるように伝えたいがそれを今言うと益々投げ方を意識するのでイップスが治りにくくなる。

 

今までこの投げ方でずっと投げられていたので先ずは投げ方を修正せず投げられるようになる事を選択。

前回来た中学生も投げ方に問題があり困ったのですが、僕がずっと彼らが所属しているチームに関わっていて長い期間で指導できるのであれば、ゆっくりと投げ方の修正をする事が出来ますが、ほぼ1回で治るための切っ掛けを作り出すためにはそこまで出来ません。

 

なので、どんな投げ方でもそれまで普通に投げる事が出来ていた場合はそこに戻してあげる事を目指します。

あえて投げ方は指摘せず、今度は発泡スチロールのボール投げ少しイップス症状は出ていますが酷くありません。

それからラグビーボールや色々なボールを使って投げてもらうと良い感じで投げる事が出来ています。

最後に前回紹介したサッカーボールを投げてもらうと全く出来ません。。。(^_^;)

何度も映像を見せてトライしましたが、、、無理でした。

この辺りがイメージ力の技術不足?なのかも。

 

サッカーボールは諦めて、身体の緊張を緩める体操をやり(いつも通り鞭を使って鞭のしなやかな感覚もインプット)、ボールの重さを感じる練習。

そしてまたまた投げる練習。

とにかく無意識に任せて自然と投げる事だけを意識してもらいました。

すると初めと比べ本当に良い感じで投げる事が出来ている!

そして本人も満足顔~♪

しばらくキャッチボールをし、「もう大丈夫だって思えたら終了にしよう~♪」というと「ラスト3球でOKです。」とのこと。

今回は精神的なストレス等の問題は無く、まだ3ヶ月しか経っていないので、今日のアドバイスをしっかりと守ってくれたら多分早く回復すると思います。

今回は今までにないタイプのイップスでしたが、年齢や身体の発達状態そして理解力等が幼い場合、伝え方などを工夫し相手が理解しやすい事そして実感を伴って身体で覚えて貰う事の大事を改めて実感しました。