イップスの症例|高校2年生の外野手

こちらの記事は2017年のブログ記事です。

 

こんばんは。 広島市南区の整体 鍼灸 佐々木整骨鍼灸院です。

相変わらずバタバタしておりますが、昨日またまた野球のイップスの高校2年生が来院したので症例報告。

今月初めに来た中学3年生の野球のイップスの子は本人からメールがあり、あがり症もイップスもほぼ改善した。との嬉しい報告がありました。

 

まだまだ悪い時もあるかもしれませんが、その時の対処の仕方で良い方向に進んでくれると思っています。

 

さて今回の野球部の子は中学1年からイップス症状があり欺し欺しやっていたが、高校になって最高に悪くなったとの事。

今回は中学の時にイップスになった原因をはっきりと自覚しており、そこからアプローチをしていこうかと思ったのですが、それ以上に高校での環境の問題が悪化要因になっているようなので、そこからアプローチしていきました。

 

今までイップスの治療の具体的なやり方はたくさん書いてきたので、今回は違う視点で。

 

昨年来た高校3年生の野球部の子のイップスの記事を少しだけ書いたのですが、その子の場合はミスした時に監督に激怒されて、そこから酷くなりました。

 

幸いイップス治療後から回復し、無事に最後の夏ベンチに入る事が出来た事をメールで知らせてくれたのですが、その経験から、人の身体と心の部分にサポートする職業になりたい!との事で作業療法士の学校に入る事にしました。との事。

 

イップスの経験から、それを乗り越え、その経験を活かして自分の人生に役立てる事が出来ると言う事は素晴らしい事で、本当に治療家として嬉しい報告でした。

 

イップスだけでなくパニックやうつ、その他色々の症状を抱えて来院された方が、その経験を役立てて進まれる場面を何度も見てきましたが、僕自身がこの仕事について良かった!って思える。

 

そしてもっと頑張ろっ!って前向きな気持ちにしてくれます。

 

僕自身も高校時代の腰痛が切っ掛けでこの仕事に就いたから余計かも知れません。

 

少し話しがそれましたが、今回のイップスの子も高校に入って、監督の様々な指導法に対して少し問題があり、そのプレッシャーからイップス症状が酷く出て改善されない状況でした。

 

具体的に書くと問題になるので、具体的には書きませんが・・・

 

僕達が野球をやっていた時代(30年以上前)は野球部はほとんど軍隊式で、僕らのような弱小高校でも上下関係といじめに近いような指導は当たり前で、強豪校はもっと大変でした。

 

水は飲んだら駄目出し、根性論が当たり前!厳しい環境の中でやってきた。& 耐えてきたから社会に出ても少々理不尽な事があってもストレス耐性ができているので大丈夫でした。

 

戦争を経験した人達はもっと悲惨な状況の中で生きてきた訳ですから、メンタルは僕たち以上に強いと思います。(当然 どの時代も弱い人達はいますからみんながみんあ強いわけではありませんが・・・)

 

今の若い子は豊かな時代に産まれ、厳しい世界をそれほど経験していないので、ちょっとした事でメンタルがやられやすくなっています。。。(^^;)

 

それはイップスに限らずです。そういった意味で、逆に理不尽な厳しい指導をする監督やコーチの存在はある意味、これからの社会を生きていく上で非常に鍛えられる良い機会なのですが、(こんなことを書くと誤解される時代ですが。。。。(^^;))今の子供達はついて行ける子は少なく、本来の良い部分を殺してしまい、恐怖と不安から緊張した状態が続いてしまいます。

 

そんな事を今回のイップスの子には話しながら、何故野球をやり始めたのか?野球の何が楽しいのか?などを聞いていき、監督やコーチの評価を気にせずに、野球の楽しさや面白さ!を意識して、ミスをしてどんな理不尽な事をされても、気にせず「この馬鹿監督!」と思って、試合に出られない悔しさはあっても、野球の楽しさはどんな状況の中でも味わえるから、そこに焦点を当てるように伝えました。

 

監督の評価を気にして、結果を出そうとすると絶対に無理です!

 

緊張している人間に対して力抜いてリラックスして!っと言っているようなモノで益々力が入ります。

 

ミスをしたらマズい丁寧に行こう!と考えた時点で、緊張しています。

よく言われる意識すればするほど、益々酷くなる状況です。パニックや不安も一緒です。

開き直れ!も一緒。(^^;)

イップスじゃない時は投げるという動作の時に投げる事に意識がありません。当たり前ですが。。。

 

僕も下手くそでしたから、いつもボールが来たらどうしよう~って考えていました。(^^;)

 

だから何百回何千回とノックを受け、頭で考えるのではなく、身体で覚え込ませるトレーニングをコツコツとやり続ける練習を昔から行ってきました。

 

これはどんなスポーツでも同じです。

そこへ状況設定をし、リアリティーを持ってその状況下で反復練習を行うと効果的なのでそういったトレーニングも行います。

その中で大事な事はミスした時です。

 

人間だからミスはつきものです。100%はありません。

 

ミスした時の周りのフォローと自分自身の考え方・捉え方をどのようにするか?何度も同じミスが起きる事もあります。

 

それは自分自身の身体と心が平常・平静な状態では無いから。

この切り替えをいかに短時間で瞬時に行えるようになれるか?ここは頭のトレーニングです。

これは選手自体の問題。

周りのフォローは監督やコーチ他の選手達の問題。

 

ただ世の中 良い人ばかりではなく、人を蹴落としてでも自分が這い上がるというタフな人達もいますから、そんな人達に出逢ってしまったら、その中から自分は何を学ぶのか?という事が課題なのかも知れませんね。。。

 

今回は少し違った視点からのイップスの治療でした。周りの環境が悪いと治るモノも治らない。。。。という愚痴でした。(苦笑)