起立性調節障害の症例(中学3年生女子)

こちらの記事も2016年のブログ記事です。

 

今日来院した中学3年生の女子。

今年の3月から急にめまいが起きたが、4~5日でめまいが治り、その後6月も同じ感じでめまい出現。

この時も4~5日で治る。

一応耳鼻科に行って薬を貰って落ち着いたようだ。

そしてお盆明けにもめまいが起き、それからがなかなか治らず、9月の初めに酷いめまいが起こり、大きな病院で様々な検査。

特に大きな問題は無く、結局起立性調節障害という診断が下る。。。

そこから学校に行けなくなり、漢方薬と血圧を上げる薬で少し良くなって、何とか学校へ行けるが、学校に着くと気分が悪くなり1時間だけ授業を受けて帰宅するという状態らしい。

症状としては、めまい(フラフラ・フワフワで回転性の眩暈では無い。)・首の痛み・頭痛・直ぐ気分が悪くなり吐きそうになる等々

立ち上がりや階段などでも直ぐ気分が悪くなり、お風呂も気分が悪くなる。

血圧を計ると、今は上が120、下が86で問題ない。

寝た状態と立った状態で比較する必要が無さそうだったので、血圧よりも脈拍の変動をチェック

すると、色々な刺激で 変動が激しく なかなか落ち着かない。

眼球運動をチェックすると斜めで気分が悪くなる。

片足立ちも開眼・閉眼共に不安定。

足踏みテストも左へ大きく廻る。

以上のことから色々と考察し、一番初めにめまいが起きた時、何か変わったことが無かったか?聞くと 超スパルタ塾へ通い始めたようで、相当 肉体的・精神的にキツかったようだ。

 

中学3年生の子供さんや高校3年生の子供さんの場合、受験という最大のストレスがあるので、先ずは勉強でのストレスをしっかりと把握し、何が一番の問題なのか?勉強自体が出来ないのか?志望校が望みが高すぎるのか?親の希望と子供さん自体の希望のすれ違い・・・等々をはっきりさせたい。

そして、それに対しての親と子供さんの理解を一致させること。

それから今現在の生活リズム・食事の好き嫌い・運動などを確認し、問題があればそれに対してのアドバイス。

子供さん本人の性格。(頑張り屋さんなのか?楽天的なのか?神経質なのか?こだわり等があるのか?・・・)

勉強面だけで無く、友達関係やクラブ、学校の先生との相性も大事。(いじめ等があればそこは学校との対応が必要になる。。。)

そういった部分を聞いていくと特に問題は無く、今回はやっぱりスパルタ塾が一番の原因だったようだ。

そして、めまいが起こると、以前めまいについての記事にも書いたが、恐怖感のため身体が緊張し、首の凝りや頭痛が起きやすくなり、悪循環になるので、恐怖感の克服が大事。

 

なので今回は先ず目のトレーニングを指導し、耳周辺の緊張を取るやり方とめまいが起きた時の対処方法を伝え、もう一度足踏みテストをすると改善し、納得して貰う。

それから、実際に身体の施術と自宅でやって欲しい身体の緊張を緩める方法を伝えて、片足立ちをしてもらうと安定し、待合室から診療室に入ってもらう時は、ふらつきながら入ってきたのだが、帰りは普通に歩けるようになっていた!

色々な注意事項を伝え、今日は終了。

 

起立性調節障害は副腎疲労だった!という事が最近言われているが、どちらもただの病名で肉体的・精神的等のストレスにより自律神経の調整が上手く出来なくなっている状態で、それが長引くと、その症状自体がストレスとなるので、抜け出しにくくなってしまう。

シンプルに考えた方が良いと思うのだが・・・

 

今度は2週間後に来院予定なので、改善していることを願う。

その後の経過。

先日来院した起立性調節障害・めまい・首の痛み・頭痛のため、学校に普通に登校できない中学3年生の娘さんの親御さんからメールを頂き、「施術後から酷いめまいがなく、体調がかなり落ち着いてきた。」と、嬉しい連絡。

 

この調子で少しずつめまいが無くなり、怖さが無くなってくれると、身体の緊張が緩むので順調に回復する可能性が高い。

ただこれから寒くなりそうなので、室内と室外の温度差や学校の試験など肉体的・精神的ストレスが増してくるので、その時に身体がどのように反応するか?が心配。

次回の来院時にはもう少し自律神経系に対してのアプローチと自宅での養生法・トレーニングをお伝えしたいと思う。

動画は起立性調節障害の自律神経の影響についてはわかりやすいが、不登校の原因としての起立性調節障害や副腎疲労という考え方は個人的には???。

原因では無く、結果だと思う。